時間帯のせいかレジは少しだけ混んでいたが、手前に並んでいた2組の客が3分ほどで精算を終えると恋幸たちの番が回ってきた。
「いらっしゃいませ。お弁当の温めは?」
「結構です。袋だけお願いします」
「かしこまりました」
店員が商品のバーコードを1つ1つスキャナーで読み取っている間に、裕一郎の背後に隠れていた……いや、長身の彼がレジの前に立つと自ずと見えなくなってしまっていた155センチ級の恋幸は、頭頂部のアホ毛を揺らしながら財布の中からいそいそと『とある物』を取り出して構える。
「……以上で、お会計が2295円です」
(今だ……っ!!)
客側に設置されたレジ画面に支払い方法の選択が表示されたタイミングで彼女は身を乗り出して『Contaカードで支払い』のボタンをタッチし、先ほど用意していた“それ”を専用の機械にかざした。
「いらっしゃいませ。お弁当の温めは?」
「結構です。袋だけお願いします」
「かしこまりました」
店員が商品のバーコードを1つ1つスキャナーで読み取っている間に、裕一郎の背後に隠れていた……いや、長身の彼がレジの前に立つと自ずと見えなくなってしまっていた155センチ級の恋幸は、頭頂部のアホ毛を揺らしながら財布の中からいそいそと『とある物』を取り出して構える。
「……以上で、お会計が2295円です」
(今だ……っ!!)
客側に設置されたレジ画面に支払い方法の選択が表示されたタイミングで彼女は身を乗り出して『Contaカードで支払い』のボタンをタッチし、先ほど用意していた“それ”を専用の機械にかざした。