そして日曜日。
 恋幸はこの24年間で楽しみだった日・第2位に入るほど心を踊らせながら、スキップするような足取りでモチダ珈琲店にやって来る。


「あら、小日向ちゃん!! いらっしゃいませ、久しぶりね!!」
「店長さん、お久しぶ……あっ!?」


 ちなみに、自身の『やらかし』は店内で出迎えられる瞬間まで脳みそから抜け落ちていたのだが、店長の口から出たワードはざっくり分けると「体調でも悪かったの?」「小日向ちゃんが恋しかったのよ」「メロンソーダ持ってくるわね」「モーニングメニューはあんこで良かった?」の4つのみで、彼女は胸を撫で下ろすと同時に、


(なんて優しいの……この店舗が潰れるまで週5で通い続けよう……!!)


 そんな縁起でもないことを一人で誓うのだった。