しかし、黙り込んでしまった恋幸を見て裕一郎は「やはり怖いのだろう」と解釈したらしく、上半身を屈めてその顔を覗き込み頭をぽんと叩いた。
「これを持って少し待っていてください。車の鍵を取ってきます」
ひどく優しい声色、どこか安心を覚える低音。
彼の囁き声に一瞬惚けてしまった恋幸だが、すぐに意識を取り戻し、自身にスマートフォンを渡そうとした裕一郎の片手を掴んで引き止める。
「あっ、だ、大丈夫です! 遠慮してませんし、やせ我慢でもありません! ガソリンが勿体無いし倉本様が居てくれるから平気ですし、3分の距離くらい自分の足で歩きます!!」
「……」
「これを持って少し待っていてください。車の鍵を取ってきます」
ひどく優しい声色、どこか安心を覚える低音。
彼の囁き声に一瞬惚けてしまった恋幸だが、すぐに意識を取り戻し、自身にスマートフォンを渡そうとした裕一郎の片手を掴んで引き止める。
「あっ、だ、大丈夫です! 遠慮してませんし、やせ我慢でもありません! ガソリンが勿体無いし倉本様が居てくれるから平気ですし、3分の距離くらい自分の足で歩きます!!」
「……」