「仕事の疲れを癒やして頂いている、というのが1つ目の理由です」
「い、癒やし……っ!?」
「はい。2つ目の理由は……充電です」


 言うと同時に、裕一郎は恋幸の首筋に顔を埋めて大きなため息を吐いた。

 恐らくその行動には彼が言及した以上の目的など含まれていないのだが、熱い吐息が彼女の肌を撫でた瞬間にぞわぞわとした感覚が背筋を駆け抜け、不快感とは全く違う“それ”に恋幸の唇からは「んっ」と小さな声が漏れる。


「……? 嫌でしたか?」
「い、いえ! 嫌なわけがないです! 倉本様といっ、いちゃいちゃ……できて、嬉しいです!!」
「……貴女は本当に素直で可愛いですね」
(ほゃ……)