「すす、すみません……!! 私、倉本様の体に許可なく触れたりして……っ!!」
「いえ……小日向さんなら、わざわざ許可を取る必要はありませんが」
「なん……なっ……んん、なん……」


 布団に寝転んだまま久しぶりにナンの話しかできなくなった彼女を見て、彼はほんの一瞬だけ懐かしさに襲われる。


「すみませんでした。暗闇が平気かどうか、先に聞くべきでしたね」
「……!! 倉本様のせいじゃありません!! 私が先に……先に、暗所恐怖症だって、言わなかったせいです……」
「……」