「んふーっ……んふーっ……」
「……電気、消しますね」


 相変わらず鼻息の荒い恋幸が布団に入ったことを確認した裕一郎は眼鏡を外して折り畳み、それを枕元に置いてリモコンを手に取ると親指でピッとボタンを押した。

 ――……瞬間。真っ暗闇に包まれる室内と、


「ひっ……!!」


 短く響く悲鳴。


「!?」


 そして、裕一郎の腕に『誰か』がしがみつく。