ロボットのごとくギクシャクした動きで裕一郎の隣にある布団へ向かう恋幸を見て、彼は座ったまま心配そうにその顔を覗き込んだ。


「……本当に大丈夫ですか? 星川さんから事情は聞いていますが、小日向さんがここで寝て私が貴女の部屋で眠ればいいだけの話なので、無理強いするつもりは」
「本当に大丈夫です!!」


 あの極寒の地で裕一郎様に睡眠をとらせるわけにはいかない!
 そんな強い意志を持つ彼女が食い気味に否定すれば、裕一郎はわずかな沈黙の後「そうですか、それなら良いのですが」と言って目を逸らす。