それから十数秒かけて飲み込み終えるなり、ゆっくりと顔を上げ呟くように言葉を落とした。


「間違っていたら本当にすみません。……今日の夕飯、作ったのは八重子さんじゃないですよね?」
「……!! ええ、はい。その通りです! 実は、今日は小日向様が作ってくださったんですよ」


 嬉しそうな星川の返答を聞いて裕一郎は「なるほど」と一つ頷き、口の端を少しだけ持ち上げ恋幸の赤い顔に目線を移動させる。


「そ、の……お、お口に合いましたでしょうか……」
「ええ、とても。ありがとうございます」
「ど、どういたしましてです……」