故に反応が気になって仕方のない彼女は今、自身の食事もそっちのけで食い入るように裕一郎を監視……見ていた。その目はまさに獲物を狙うライオンで、星川は唇を引き結び笑いを噛み殺す。


「……」
(どきどき……)


 よく味の染みたじゃがいもを箸で器用に持ち上げ口に運んだ裕一郎は、2、3回咀嚼(そしゃく)したかと思えば手元に目線をやったままぴたりと動きを止めてしまった。
 同時に、恋幸の心臓も止まる。


(ひゅっ……まずかったのかな……)
「裕一郎様、どうかされましたか?」
「……いえ、」


 空気を読んだ“できる女”の星川がそれとなく声をかけると、彼は緩くかぶりを振って今度はほうれん草のおひたしを一口。