「そ、そんな……! 星川さんは何も悪くないので謝らないでください……!!」
「ごめんなさい、ありがとうございます。……頼りないかもしれませんけど、裕一郎様が不在の間は小日向様を任せられている身ですから、何かあれば私に言ってくださいね」
(星川さんも優しい……大好き……)


 フローリングの廊下を傷つけてしまわないようキャリーケースを両腕に抱えて星川の後ろに続きながら、恋幸はジンと心に広がるあたたかさを噛み締める。


「小日向様のお部屋はこちらです」
「ありがとうござ……、……!!」
「……? どうかされましたか?」


 星川が案内してくれた部屋の(ふすま)をくぐってからハッとする恋幸。