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そして、翌日。
遠足を控えた小学生よりも気が早すぎる恋幸は朝5時半に目を覚まし、いつもはしない“朝シャン”を済ませ、15分かけて歯を磨くと、先日裕一郎とのデートで購入したレモン柄のワンピースに身を包む。
(裕一郎様……時間は気にせずいつでも好きな時に来てください、って言ってたなあ……)
それにしても朝7時に押しかけるのは時間を気にしなさすぎだ。
さすがの恋幸もそれだけは理解しており、自宅を出る予定の9時指定でタクシーを予約して、残りの約2時間はリビングで座禅を組み心を落ち着かせる。
……ものの5分で足が痺れてしまい断念したのは言うまでもない。