「もっと噛み砕いて言うと、貴女がこの家に住んで“大人の男(わたし)”を観察してみてはどうでしょう。と、言う話です」


 瞬間――……恋幸の意識は宇宙の遥か彼方に飛び立ってしまう。

 しかし、宇宙猫……いや、宇宙恋幸になってしまっても無理はない。なんせ、つまるところ大好きな裕一郎から直々に同棲の申し出をされているのだ。理性を(たも)ち冷静に対応するなど困難に決まっている。


「ほ……」
「ほ?」
「なん……あ……」
「すみません、日本語でお願いできますか?」