「……そういえば、今日は会った時から隈がひどかったな……」


 寝顔を眺めながらそんな独り言をこぼし、裕一郎は自身のジャケットを脱いで恋幸の背中にかけてやる。
 それから、規則正しい寝息を立てる彼女の長い髪を指で()き、頬に触れるだけの口付けを落とした。


「……いつもお疲れ様です、日向ぼっこ先生」


 そんな彼の顔にひどく優しい微笑みが浮かべられていたことなど、恋幸が知るわけもない。