上手く回らない頭の中には少しずつ(もや)がかかり始め、恋幸はそこでようやく自身が一睡もしていないことを思い出した。


(だめだめ、人の家で寝るなんて失礼すぎる……! 裕一郎様が戻ってくるまで、起きてなきゃ……)





「お待たせしてすみません、小日向さ……」


 部屋に戻った裕一郎の目に映ったのは、座卓に突っ伏して寝息を立てる恋幸の姿。
 彼はできる限り音を立てないよう後ろ手に(ふすま)を閉めると、眠る恋幸のすぐ隣に腰を下ろした。