「ええっと、その……詳しくは、倉本様が(おっしゃ)った通り守秘義務があって明かせないんですけど、」
「はい」
「その、協力してほしい事がありまして……」


 自身の人差し指同士をくるくると絡ませて伏し目がちに裕一郎を見やる恋幸。
 彼はそんな彼女に話の先を急かすわけでもなく、首を傾げてただ静かに次の言葉を待っていた。


「……その、」
「はい」
「えっと……く、倉本様に……『大人の恋愛』を、教えてほしくて、ですね……えへ……」
「……」