「小日向様のことは、一度だけ裕一郎様から話を聞きました。先月、花様を撫でながら『この子に似た女性と出会った』と。その時、久しぶりに裕一郎様が微笑んでいるのを見たんです」
(そ、そうなんだ……なんか照れちゃうな……)


 湯呑を両手に持ちふーふーと息を吹きかける恋幸を見て、星川は口元の笑みを深くする。


「今日こうして小日向様にお会いできて嬉しいです」
「わっ、私も!! 星川さんに会えて嬉しいです!!」