女性からのアプローチも全て拒絶し、父親が用意した許嫁(いいなずけ)との婚約も解消。以来、今年の2月までひたすら仕事に没頭しているような人間だったらしい。

 いったい何がきっかけだったのか。いつ、裕一郎の身に何が起きたのか。それとなく自分に相談するよう(うなが)してみても、裕一郎は「大丈夫です。八重子さん、心配かけてごめんね」としか答えなかったそうだ。
 星川には愛する夫がいるが彼女は子供ができない体質だったため、裕一郎のことを我が子同然に大切に思っている。だからこそ、彼のことが心配でたまらなかったのだと言う。