「裕一郎様についてのお話です」
「……!!」


 思わず恋幸が生唾を飲み込むと、星川は「これから語ることは、裕一郎様には他言しないで頂けると幸いです」と穏やかな口調で念を押し、恋幸が頷いたのを確認して言葉を続けた。


「……裕一郎様は、今でこそ感情表現の(とぼ)しい方ですが、昔……裕一郎様が小学校に入り、高校・大学を卒業して新社会人になったばかりの頃は、もっと表情がコロコロと変わる明るい方でした」
「そ、そうなんですか……?!」
「ええ。ふふ、意外でしょう?」


 ――……星川の語った内容はこうだ。