「小日向さんがこれから先も私の手の届く場所に居てくれるのなら、どんな理由でも構いません」
「……っ、倉本、さま……」
「……やっと、本物の貴女に言える。……好きです」
「……っ、」


 感極まった恋幸は、本能に身を任せて勢いよく裕一郎に抱きつく。
 彼はそんな彼女を両腕で抱き留めながらその場に寝転がり、恋幸の長い髪を指で()いた。


「わた、っし……私も、好きです……ひっく……倉本様のことが、好き……っ」
「……ええ、知っていますよ。ずっと、顔に出ていましたから」