「和臣様……っ!! 電報が!!」
「――!?」


 翌日、早朝。幸音は一人、眠るようにこの世を旅立った。


「幸音さん……っ!!」


 帰宅した和臣を出迎えたのは物言わぬ幸音の姿で、彼女の親族は誰一人として和臣を責めなかった。仕方のないことであると理解していたからだ。
 しかし、


「私……わた、し、が……あなたのそばを、離れたりしなければ……っ」


 和臣は己の無力さを責め続け、