「……っう……くっ、倉本様は……どうして、私に優しくしてくれるんですか……? 今日だって、なんで、一緒にいてくれるんですか……? わたっ、私は……1回、えっちなことするための、きっ、キープですか……? 考えるほど、なんにもわからなくなりました……倉本様、ごめんなさ……っ、」
「恋幸さん」


 何度も目元の涙を拭う恋幸の両手を裕一郎は優しく捕まえると、上半身を少し屈めて彼女の瞳を覗き込む。
 そのまま顔を近づけた彼は恋幸の(ひたい)に触れるだけの口付けを落とし、両手を移動させてその小さな体を強く抱きしめた。


「……くら、も、と、さ……」


 頬の熱が、思考回路まで溶かしてしまっているかのように錯覚する。
 恋幸の足元に置かれたままの包装紙が、カサリと小さく音を立てた。