そして、神前式を間近に控えたある日。
和臣は更なる医学知識を得るために、遠方にある巨大医療施設へ赴くことにした。
「……やはり、今日の予定は辞めようか……幸音さんが心配だ」
「ごほっ……何を言っているんですか、心配性ですね……私は大丈夫ですから、和臣様は夢のことだけを考えてください。けほっ……お医者様になるんでしょう? 私、和臣様に診てもらえる日を楽しみにしているんですよ」
「……予定を終えたら、急いで戻るよ。何かあったら、侍女に命じてすぐ私を呼んでくれ、いいね?」
「はい、わかりました。道中……けほっ、どうか、気をつけてくださいね。和臣様」
「ええ。幸音さん、行ってきます」
和臣が幸音と最期に交わしたのは、そんな会話だった。
和臣は更なる医学知識を得るために、遠方にある巨大医療施設へ赴くことにした。
「……やはり、今日の予定は辞めようか……幸音さんが心配だ」
「ごほっ……何を言っているんですか、心配性ですね……私は大丈夫ですから、和臣様は夢のことだけを考えてください。けほっ……お医者様になるんでしょう? 私、和臣様に診てもらえる日を楽しみにしているんですよ」
「……予定を終えたら、急いで戻るよ。何かあったら、侍女に命じてすぐ私を呼んでくれ、いいね?」
「はい、わかりました。道中……けほっ、どうか、気をつけてくださいね。和臣様」
「ええ。幸音さん、行ってきます」
和臣が幸音と最期に交わしたのは、そんな会話だった。