「気持ち悪いだなんて思いませんし、私は私の中で作り上げた勝手なイメージを倉本様に押し付ける気はありません。何が好きでも、どんな趣味があっても、倉本様が私の知っている『倉本裕一郎』であることは変わりません。だから、私は……ありのままの倉本様を、もっと知りたいです」


 ――……“それ”が本心であることだけは確かだった。


「……はあ……」
「……っ!?」


 裕一郎の溜め息が耳に届くと同時に、恋幸は彼の腕の中に閉じ込められる。