恋幸がゆっくりと手を伸ばせば、ウサギの花は頭を低くして突き出したままその場でもっふり丸くなる。
 そのまま恐る恐る撫で始めると、花は気持ちが良さそうに目を閉じて恋幸に身を(ゆだ)ねていた。


「ふふ……可愛い」


 そんな恋幸たちの様子を静観していた裕一郎は自身の立てた片膝の上に(ひじ)を置く形で頬杖をつき、恋幸に対してぽつりと言葉を落とす。


「……引かないんですか?」
「……え?」