サークルを軽々と跨いだ彼の後に続いて中へ入り「立ったままだと怖がってしまうので、その場にゆっくり座ってください」と裕一郎に言われた通り恋幸は彼の隣に腰を下ろす。
 すると、先ほど『花』と呼ばれたネザーランドドワーフは軽く跳ねて恋幸のそばへ寄り、ふんふんと荒い鼻息を吹きかけながら彼女の匂いを嗅ぎ始めた。


「く、臭いんでしょうか……?」
「いいえ。小日向さんが自分にとって安全な存在かどうか、チェックしているだけです」
「そうなんですね……! こんにちは花ちゃん、はじめまして。私は小日向恋幸と申します」
「……もう触っても大丈夫だと思いますよ。頭を撫でられるのが好きなので、撫でてあげてください」
「はい……!」