「私は、あとどれだけ和臣様と過ごせるのでしょう……」
「幸音さん、どうかそんな寂しいことを言わないで? 私は年老いてこの命が尽きる瞬間まで、あなたと一緒に過ごすと決めているんだ」


 和臣は幸音に残された命の時間を知ったうえで、絶望に浸ることはなかった。
 必ず医学で治せる病であると信じていたからだ。


「幸音さんの病は、私が必ず治してみせる。だからこの先も、身が朽ち果てるまで共に生きよう」
「はい……、はいっ……!」