千に物申す前に、恋幸はいったんグラスをパソコンから遠ざけ、右隣のデスクに移動させてから画面に向き直った。
「くらっ……あの人は! そんな悪人じゃないもん!!」
『何を根拠に言ってるの? ひなこはその人のこと、まだ何も知らないよね?』
「知ってるもんね!!」
裕一郎は自分と会っている間、目の前で一度もスマートフォンを触らなかったこと。
眼鏡を押し上げる時、親指と中指を使うこと。
時計は左腕に付けていること。
会話する時は、必ずこちらの目をまっすぐに見てくること。
歩き始めは右足から先に出す傾向があること。
「くらっ……あの人は! そんな悪人じゃないもん!!」
『何を根拠に言ってるの? ひなこはその人のこと、まだ何も知らないよね?』
「知ってるもんね!!」
裕一郎は自分と会っている間、目の前で一度もスマートフォンを触らなかったこと。
眼鏡を押し上げる時、親指と中指を使うこと。
時計は左腕に付けていること。
会話する時は、必ずこちらの目をまっすぐに見てくること。
歩き始めは右足から先に出す傾向があること。