そして、ネザーランドドワーフ・ミニレッキス・ホーランドロップが特にラブな恋幸にとって、裕一郎の話は馬の鼻先に人参をぶら下げる行為に近かった。


「いいですね……ああ、いいなぁ……うさちゃん……写真とか見せてもらうことはできますか……?」
「写真を見せるのは勿論、構いませんが……小日向さんさえ良ければ、私の家に見に来ますか?」
(……はぇ……?)


 突然の大胆な誘いに、心臓が口から飛び出そうになる恋幸。
 1日悩みに悩んでから返答するべきだと理性では理解できていたものの、


「い、き……ます……行かせてください……」


 本能に(あらが)うことなど、彼女にできるわけがなかった。