(ペットショップで買いたい物……?)


 何だろうかと考えたタイミングで、恋幸は以前彼がペットの存在を(そそのか)す発言をしていたのを思い出す。
 機会があれば話を聞かせてくれるとも言っていたが、結局種類も名前も性別も知れていないままだった。

 気になる、知りたい、でも無理やり聞き出すようなことじゃない。
 彼女の目の前でキンクマハムスターが一生懸命駆けている回し車のように頭の中がぐるぐる回転し始めた時、裕一郎が背後から声をかける。


「お待たせしました」
「あっ、倉本様……! 買いたい物、見つかりましたか?」
「ええ」