その行動の意味に気づいていない恋幸は、裕一郎から“それ”を受け取ると満面の笑みを浮かべて意気揚々とレジへ向かい、丁寧にラッピングまで済ませて彼の元へ帰ってくる。


「では、遅くなりましたが……ホワイトデーの贈り物です!」
「……鈍感すぎるでしょう」
「え?」
「何でもありませんよ」





 次にやって来たのはペットショップ。
 動物好きな恋幸が行きたがったのは勿論、裕一郎も珍しく「ちょうど買いたい物があります」と言っていた。