真っ赤な顔でぽつりぽつりと紡がれる彼女の話を聞いて、裕一郎はしばらく言葉を失った後おもむろに手を伸ばし、恋幸の持っていたウサギの置物を優しく奪い取る。


「あっ、」
「……では、これをお願いしてもいいですか?」


 言いながら、裕一郎は陶器でできたウサギの口を恋幸の頬につんと軽く押し当てた。


「……!! はい!! 喜んで!!」