それに、これほど見目麗しい彼が昼食としてファストフード店を指定するはずがないしイメージもできない、と恋幸はパンケーキの写真に目を奪われながら考える。


(プレミアムパンケーキ……)
「……食べたい物はありましたか?」
「えっ……!? あっ、えっと……」


 対面側の席に座る裕一郎は適当に畳んだおしぼりをテーブルの右端に置き、言いどもる彼女の顔をまっすぐに見据えて不思議そうに首を傾げた。
 その表情は相変わらず“無”だが、透き通った空色の瞳にどこか心配の色が滲む。