またなんとなく同じことが起きそうな気がした。
 誰も来るはずのないこの地下室にあいつがやってきて俺に手を差し伸べるような気がする。
  本当は俺が守ってやらなきゃいけないはずなのに。
 あいつは特別で、お嬢様で、俺はまだ半人前だ。
 こんなところで死ぬようなら、俺にあいつが守れるはずがない。
 小さな光を頼りに階段を上がり、力一杯扉を肩で押す。何度目かに微かに光が差し込むのが見えた。鍵はかかっていない。あとは力勝負だ。