明日のことなんて誰にもわからない。 楽しいことは毎日のなかにあふれているけれど、誰かの死は画面越しの世界にひっそりとあるもの。 悲しいニュースに眉をひそめても、画面を消せば忘れてしまう。 もし、私の知っている人が死んでしまったら? もし、身近な人の運命を知ってしまったなら? あの日、私はきみの声を聴いた。 運命に抗おうとした夏の日々を、私は忘れない。 ――忘れないよ。