私の右隣で幡保君は気だるそうな表情で窓の外を見てる、本当にこの人なんのためにこの委員に立候補したんだろ?
私の横に並んだ彼は思っていたほど背が高くなくて、幡保君の少し傷んだ髪までよく見えてしまう。結局立っている間、彼は少しも私の方を見ようとはしなかった。
「災難だったねえ、二条院さん。あの不良が同じ委員なんて私だったら耐えられないかもー」
わざとらしい、自分が委員になりたくなくて私の事を推薦した癖に。
学級活動が終わってすぐに声をかけてきたのは、私を推薦した中学時代からのクラスメイト。申し訳なさそうな声を出しているけれど、半分面白がっているようにも見えた。
「そんなこと無いよ、幡保君だってやる気があるから立候補したんだろうし」
これは私の希望かもしれない、だけどそう言わないと悔しい気がして。
「そう? まあ二条院さんがそういうのならいいけど。じゃあ実行委員頑張ってね」
結局言いたい事だけ言ってさっさと仲の良い女子達の輪に戻っていった。私は自分の席に戻り椅子に座って、渡された実行委員のプリントに目を通す。
まずは実行委員会の集まり、そこから今後の予定を決めていくことになっているようだった。
「……幡保君、きちんと実行委員会出てくれるのかな?」
今日の放課後から始まる委員の集まりの事を考えて、大きく息を吐いた。