「女房達と言うのは、宮中にいる女子達の事ですか?」

「ああ、そうだ。」

「綺麗な人も、たくさんいるんでしょうね。」

「うーん。」

依楼葉は、腕を胸の前で組んだ。

「まあ、確かに……いない訳ではないが……」

その話を聞いて隼也は、ウキウキしている。


「さては、隼也。女好きか?」

依楼葉は、細い目で隼也を睨む。

「まだ分かりませんが、嫌いではございません。」

楽しそうに話す隼也を見て、依楼葉は咲哉を思い出した。


「もしや……いろんな女房に、声をかけまくるようになってしまったら、どうしよう。」

すると心配する依楼葉の横に、父・藤原照明の姿が。

「なあに。男はそのぐらいでなければ。もしかしたら、子孫が増えるやも、しれぬぞ。」

父も、どこかワクワクしている。


女の依楼葉にとっては、理解できない世界だ。