男子寮に行くとノアの部屋は3階だった。3階に行くと、同室のマキがいた。

「よぅ! お前がノアか!」


 マキは明るくて少しうるさい騎士だ。魔力が微力しかないため魔法師団を断念したんだと教えてくれた。

 性格は正反対で過ごして来た環境も全く違ったが、ノアはマキといるのが楽しいと感じていた。


 翌日から仕事は始まり、ひと月経ったある日。

 部署の隊長から支援要請を言い渡され王宮魔法師団と共に王都にある森へ向かった。

 その森は瘴気がひどい状態で息もしづらい。だが、ノアはおかしいと思った。この瘴気なら、早い段階で勇者パーティーが討伐に行くはず。なのに何故こんなになるまで放っていたのか……。

 一緒に行動する団員に聞くと、ノアは驚いた。


「ここは元は勇者パーティーの討伐予定地だった。だが、勇者は聖剣が使えず治癒魔法も効かずでさんざんだったんだと……それで俺らに回って来たんだ」


 ノアがでてく前は聖剣も使えていた。なのに何故そんなことになっているのか不思議だ――。