「なぁ、池澤さん。やっぱおれたち、つきあおうよ」
その日の帰り道。
いつもの歩道橋の上で、幸野が言った。
「てか、もうつきあってるようなもんだけどな」
わたしたちは毎日一緒に帰る。
朝は幸野のほうが早く登校してしまうから、一緒に通うことはないけれど……帰りはいつも一緒だ。
「なんであんたとつきあわなきゃなんないの?」
「だってまた、あかりんたちが騒ぐじゃん。つきあってもいないのに、どーたらこーたらって。一年前もそうだったんだろ?」
一年前……先輩に告白されたときも、一緒にいただけで、あかりの反感を買ってしまった。
「だからつきあって、堂々と一緒にいればいいんだよ。そうすればあかりんたちも、さらに手を出せなくなる」
わたしは足を止め、幸野の顔を見上げる。
「なんであんたがそこまでするのよ?」
幸野は答えない。
ただ夕陽の当たっているわたしの顔を、なんだかまぶしそうに見ている。
「答えてよ」
「じゃあ答えたら、つきあってくれる?」
わたしは言葉をつまらせる。
すると幸野がまっすぐわたしを見つめて言った。
「好きだからだよ」
胸がぎゅっと熱くなる。
その日の帰り道。
いつもの歩道橋の上で、幸野が言った。
「てか、もうつきあってるようなもんだけどな」
わたしたちは毎日一緒に帰る。
朝は幸野のほうが早く登校してしまうから、一緒に通うことはないけれど……帰りはいつも一緒だ。
「なんであんたとつきあわなきゃなんないの?」
「だってまた、あかりんたちが騒ぐじゃん。つきあってもいないのに、どーたらこーたらって。一年前もそうだったんだろ?」
一年前……先輩に告白されたときも、一緒にいただけで、あかりの反感を買ってしまった。
「だからつきあって、堂々と一緒にいればいいんだよ。そうすればあかりんたちも、さらに手を出せなくなる」
わたしは足を止め、幸野の顔を見上げる。
「なんであんたがそこまでするのよ?」
幸野は答えない。
ただ夕陽の当たっているわたしの顔を、なんだかまぶしそうに見ている。
「答えてよ」
「じゃあ答えたら、つきあってくれる?」
わたしは言葉をつまらせる。
すると幸野がまっすぐわたしを見つめて言った。
「好きだからだよ」
胸がぎゅっと熱くなる。