「残念。1時間待ち。」

お店から出てきた先生は、そう言うと別な場所に行こうと、私を連れ出した。

だけど、お昼時だったのか。

今日はお休みの人が多かったのか。

はたまた、場所が悪かったのか。

行く先々で席は無く、私たちは13時半を過ぎても、食事にありつけなかった。


「最悪。ファーストフードにも、あり付けないのかよ。」

先生は余程お腹が空いているのか、熱さにやられているのか、ぐったりしていた。

「諦めて家に帰るか?」

先生は私に質問を投げかけた。

「う~ん……」

私は考える振りをして、先生を見つめた。


せっかく先生と再会したのに、このまま終わるなんて、物足りない。

「どうしようかな。先生に奢って貰える唯一のチャンスだしな。」

「おまえね。」

先生はケラケラと笑っている。

「あ~あ。家だったら出前取って済ますんだけどな。」

先生はそう呟いて、私をじーっと見た。