するとお決まりの、後ろからぎゅっと抱き締めポーズ。

先生は慰めてくれる時は、いつもこのポーズ。

この一週間で、大分わかった。


「芽依。ごめん。」

変わったとすれば、いつ頃か私の事を名前で呼ぶようになった事だ。

「言い過ぎた。ほんの冗談。芽依の事、子供だと思ってないよ。」

「先生……」

私は抱き締めてくれている先生の腕に、そっと触れた。

「もちろん、まだ自立してる大人じゃないとは思ってるけど、ちゃんと自分で自分の道を決められる。もう子供じゃない。」

なんだか胸がホカホカしてくる。


「それに子供だと思ったら、芽依の事抱いてないでしょ?」

「そうなの?」

先生の腕の中で、クルっと体を振り向かせた。

「当たり前。」

すると先生は、私の背中と足を、抱き抱えた。

俗に言う、お姫様抱っこ。

もちろん、男の人にしてもらうなんて初めて。


「重い、ですよね。」

「ううん。全然。」