「いるだろう。小さくてパンツ見えそうな感じで走ってる女の子が。」

「なっ!」

パンツ! パンツ見えそうって!!


「猫バスで見つけた時、トウモロコシ持ちながら泣きべそかいてたメイちゃんだよ。」

失笑している先生に、口を尖らせた。

「うわっ!益々メイにそっくり。」


もう限界。

私は先生の体を、何度も叩き始めた。

「痛い痛い!止めろって!」

もう一回おまけに叩いてやろうかと思ったのに、それは簡単に先生の手に阻まれた。

「芽依、もう終わり。」

不意にも名前で呼ばれた事に、心臓が高鳴る。


「だって……」

「だって?」

「……そんなパンツ見せてるような子供じゃないもん。」


わかってる。

先生から見たら、まだまだ泣きべそかいてるメイちゃんと同じだって。

「そうだな。」

先生はその一言だけ言い残すと、クルっとテーブルの方を向き、また小説の続きを書き始めた。