「なに?」

甘えるように、先生の首筋に抱きついた。

「その……なんだ………藤沢が言った教師と〜、」

「生徒のお話?」

私はすごく嬉しくて、原稿用紙を覗きこんだ。


そこには、主人公二人が別居に愛し合っているシーンが、描かれていた。

「うわ〜エロい。もしかして、官能小説?」

「違う。大人の純愛だ。」


私は、先生を見た。

真剣な顔。

その表情に、吸い寄せられる。


「この教師は、この女の子を好きなの?」

「そうだよ。」

「ホント?」

「じゃなかったら、抱いたりしないよ。」

先生のその発言に、身体中がドクンッとなった。


゛好きじゃなかったら抱かない゛


その言葉が、私と先生のこれからの関係を、約束できるのではないかと、期待させた。

「藤沢。」

「はい……」

先生はニカッと笑って、こう言った。

「自分の事だと思って、ドキッとしただろ。」

「はあ?」