お皿を洗っている途中なのに、ガクッと膝が落ちる。


何?

さっきお父さんっぽいって言った逆襲?


「もう、先生ってば。可笑しくて笑っちゃう。」

ハハハっと笑うと、先生の腕が後ろから、スルッと腰に回された。

「先生?」

「うん。」

うんって返事をしながら、先生の手が今度は胸に伸びる。

「先生、お皿洗えないよ。」

「洗わなくていいから。」

「また、そんな事言う。」


そう言えばさっき、もしもの話って流されたけれど、俺と結婚したら料理頑張らなくてもいいって言ってたっけ。

もしかして、先生って過保護?


「塾って……男いるの?」

「男!?男子生徒ってことですか?」

「うん。」

なぜか抱きつく力が強くなる。


なぜ?

なに?

どうして?


「男の子はいますけど……話さないんで。」

「そっか。安心した。」

先生は私の頬にチュっとキスをすると、私から離れた。