「何でもなかったら笑わないだろ。」

「だってぇ。」

益々可笑しくなるのを我慢して、お味噌汁を飲み干した。

「いいから言えって。」

「ええ?」

右手にお箸、左手にご飯茶わんを持ちながら、じーっと見てくる先生。


あの~

そこまで気にする事ですか?


「いや、ちょっと……」

「ちょっと?」

「……お父さんっぽいなぁって、思っただけです。」

案の定、先生はガクッと肩を落とした。


そりゃそうだよね。

30にもなっていないのに、高校生からお父さんみたいって。


でもすぐに頭を持ち上げて、先生は反撃してきた。

「どこがだよ!俺のどこがオヤジっぽいんだよ!!」

「オヤジっぽいじゃなくて、お父さんっぽいって……」

「お父さん!?どう見たって、お兄さんだろ!!」


なんか、ここまで来ると面倒くさい。


「ごちそうさまです。私、塾行ってきます。」

「おうおう!しっかり勉強して来いよ!」