先生お手製の炒飯を頬張り、美味しいの一言もなく完食。

「ご馳走様でした。」

はああとお腹をさすると、向かい側でまだお皿の半分しか炒飯を食べていない先生がいた。

「おまえ、俺がせっかく作ったんだから、もっと噛みしめて食えよ。」

「へへへ。お腹空いてたから、そんな暇なかった。」


すると先生の目がへの字のように、細くなった。

食べてるからわからなかったけれど、もしかして面白かったのかなって、勝手に想像。


その後の午後の時間も、私は受験勉強、先生は小説書きとそれぞれの時間を過ごした。

人のいる中で、勉強なんてできるのか心配だったけれど、それは考えすぎだったみたい。

意外に勉強に集中している自分と、意外に小説書きに没頭している先生がいた。


よかった。

とりあえず先生の邪魔にはなってないみたい。

私は胸を撫で下ろした。