「腹減っただろ。お昼、炒飯でいいな。」

私の返事を聞く前に、冷蔵庫を開け、卵を取り出している。

「う、うん!」

遅れて返事をした私に、先生はクスッと笑った。

「先生が作るの?」

「そう。おまえ、作れるか?」

「作れるよ~。」

口を尖がらせて見せた。


「でも、先生が作った炒飯食べたい!」

「うっひゃっひゃっひゃっ!!」

どこがツボだったのかわからないけれど、先生は大笑いしながら、フライパンを取り火を点けると油を入れた。

「カバン置いてくる。」

私はそう言うと、急いで自分の荷物の傍に、カバンを置いた。


再びキッチンへ戻ると、先生はもう卵とご飯を炒めていた。

「できた?」

「もう少し。」

先生は傍にあった炒飯の元を入れると、また混ぜ合わせ、皿の上に盛り付けた。

「ほれ!」

「わーい。」

小さな子供のように、先生からスプーンを貰うと、テーブルの上に持って行った。