そう言えば!!

クラスの女子達が、先生との別れを惜しんで、やたら自分の連絡先を紙に書いて、プレゼントの中に入れておいたっけ。

私も友達に『芽依も書きなよ。』と言われ、とりあえず走り書きで書いて、プレゼントの中に放り込んだ。

「先生、あれ取っててくれたんだ……」

感激して泣けてくる。

『と、言うか荷物の中に紛れ込んでいたと言うか……』

ガクッと、私は肩を落とした。

「ぅぅぅ……そう言うところは、正直じゃなくてもいいのに。」

『あっ、すまん!』

先生が謝った後、二人の間に沈黙が流れる。


しばらくして、先生から静かに会話が始まった。

『おまえ、来年大学受験って言ってたよな?』

「は、はい。」

『はかどってないだろ。』

「えっ?いや、午前中は塾に行ってるし、」

『だから、明日も俺の家に来い。』


ドキンとした。

先生の家。

またあの場所に行ける。