「ただいま。」

顔を拭いて靴を脱ぐと、珍しくお母さんが玄関先に出てきてくれた。

「芽依、遅かったじゃない。ってあなた、泣いてるの?」

「泣いてない。」

「だって顔がグチャグチャ……」

「元からだから。」

訳の分かんない返事をして、自分の部屋に戻った。


カバンを置いて、ベッドに横になった。

さっきまでいた先生の部屋とは、全く違う。

思い出して、寂しくなって、また涙が出てきた時だった。


Lineがピコンッと鳴った。

友達か。

こんな時に。


|《今から来れる?≫


はっ?

今から?


≪どこ?≫

≪駅前のカラオケ≫


また駅に行くのか!

私は重い身体を起こした。


その時だった。