「いっただっきまーす!!!!」

バチンと両手を併せて、私は空き過ぎたお腹に、麻婆豆腐丼を掻きこんだ。

「うぉっ!いい食べっぷり!」

先生も私に負けじと、定食を掻き込む。


「あ~。お腹いっぱい。」

あれだけ待ったのに。

こんなにお腹を空かせるまで待ったのに。

食べ終わるまでは、あっと言う間だ。

「食べた食べた。」

先生もお腹を撫でている。

「ご馳走様でした。」

私は先生に、頭を下げた。

「はい!お粗末さん!」


私は顔を上げると、首を45度傾けた。

「なに、それ。」

「『ご馳走様でした』は、豪華なお食事でしたね。という意味だろう?代わりにお粗末な料理でしたって返すんだよ。日本式の挨拶だ。」

先生は爪楊枝を、口の中に入れていた。

「それは……先生が料理を作った時でしょう?」

「ん?」

「今は出前だから、作ったのはお店の人だもん。先生にお粗末様なんて言えないよ。」