ああ、このままもしかして、シートを倒されて、先生に抱かれるのかな。

私は自然に目を閉じた。

「芽依……」

「先生。私、いいよ。」

そう答えた瞬間。

両頬を、ビタンと叩かれた。


「痛い‼」

目を開けると、先生がニヤッとした。

「芽依のスケベ。」

「は?」

「このまま、車でHすると思っただろ。」

「!!」

図星過ぎて、顔がゆでダコみたいになる。


「残念。ここでやったらみんなに丸見え。」

私は急いで辺りを見回す。

気づかなかったけれど、結構な人が駐車場にいる。

「それとも他の人に、Hしてるとこ見せる?」

「絶対に嫌‼」

先生は大笑いしながら、車のエンジンをかけた。


「帰ろうか。家に。」

その誘いが嬉しくて、外を見ながら私もニヤけてしまった。

「うん。」


車はゆっくり動き出す。


先生と付き合っているのかなんて、わからない。

でも先生と一緒にいるこの時間を、大切にしたいと思える一日だった。